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よくわからん学生がよくわからん日々を記録していくよくわからんブログです。
27 . November
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29 . June
13年後のクレヨンしんちゃん

作.VIPPER









1 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:41:45.75 ID:60VRmiQN0
僕はシロ、しんちゃんのともだち。十三年前に拾われた、一匹の犬。
まっ白な僕は、ふわふわのわたあめみたいだと言われて。
おいしそうだから、抱きしめられた。

あの日から、ずっといっしょ。



4 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/07(金) 01:42:27.56 ID:q4SEiyGF0
なにこの最終的に俺の涙を誘いそうな>>1



5 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:43:23.40 ID:60VRmiQN0
「行ってきマスの寿司~~~~~~。」
あいかわらずの言葉といっしょに、しんちゃんは家から飛び出していった。
まっ黒な上着をつかんだまま、口に食パンをおしこんでいるところを見ると、
今日もちこくなんだろう。
どんなに大きな体になっても、声が低くなっても、朝に弱いのは昔から。
特に今年は、しんちゃんのお母さんいわく『ジュケンセイ』というやつだから、
さらにいそがしくなったらしい。
たしかに、ここのところのしんちゃんは、あんまり僕にかまってくれなくなった。
しかたのないことだとしても、なんだかちょっと、うん。
さみしいかもしれない。



6 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:43:42.54 ID:60VRmiQN0
せめてこっちを見てくれないかな、と言う気持ちと、がんばれという気持ち。
その二つがまぜこぜになって、とにかく少しでも何かしたくなって。
小さくほえてみようとしたけれど、出来なかった。
なんだかとても眠たい。
ちかごろ多くなったこの不思議な感覚、ゆっくりと力が抜けていくような。
あくびの出ないまどろみ。
閉じていく瞳の端っこに、しんちゃんの黄色いスニーカーが映って。

ああ今日もおはようを言い損ねたと、どこかで後悔した。



7 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:44:22.87 ID:60VRmiQN0
ぴたぴたとおでこを触られる感覚に、急に目が覚める。
いっぱいに浮かんだ顔に、おもわず引きぎみになった。
ひまわりちゃんだ。
「シロー。朝ご飯だよ。」
そう言いながらこちらをのぞき込んでくる顔は、しんちゃんに似ていて。
やっぱり兄妹なんだな、と思う。
「ほら、ご飯。」
ひまわりちゃんは、片手で僕のおでこをなでながら、もう片方の手でおわんを振ってみせる。
山盛りのドッグフード。まん丸な目のひまわりちゃん。
あんまり興味のない僕のごはん。困った顔のひまわりちゃん。
僕は、それをかわるがわる見ながら、迷ってしまう。

お腹は減っていない。
でも食べなければひまわりちゃんは、もっと困った顔をするだろう。
でも、お腹は減っていない。



8 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:44:48.83 ID:60VRmiQN0
ひまわりちゃんは、悲しそうな顔になって、僕の目の前にごはんを置いた。
そして、両手でわしわしと僕の顔をかきまわす。ちょっと苦しい。
「お腹減ったら、食べればいいよ。」
おしまいにむぎゅうっと抱きしめられてから、そう言われた。
ひまわりちゃんは立ち上がると、段々になったスカートをくるりと回して、
そばにあったカバンを持つ。
学校に行くんだ。
いってらっしゃいと言おうとしたけれど、やっぱり言う気になれなくて。
僕はぺたんとねころんだ。
へいの向こうにひまわりちゃんが消えていく。
顔の前に置かれたおちゃわんを、僕は鼻先ではじに寄せた。

お腹は、ぜんぜん空いていない。



10 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:45:32.66 ID:60VRmiQN0
ごはんを欲しいと思わなくなった。
おさんぽにも、あんまり興味はなくなった。
でも、なでてもらうのは、まだ好き。
抱きしめられるのも、好き。

『ジュケンセイ』っていうのが終わったら、しんちゃんは。
また僕をいっぱい、なでてくれるのかな。抱きしめてくれるのかな。
そうだといいんだけど。



12 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:45:48.60 ID:60VRmiQN0
目を開くと、もう辺りはうすむらさき色になっていて。
また、まばたきしているうちに一日が過ぎちゃったんだと思う。
ここのところ、ずっとそうだ。何だかもったいない。
辺りを見回して、鼻をひくひくさせる。しんちゃんの匂いはしない。

まだ、帰ってきてないんだ。

さっき寄せたはずのおちゃわんのごはんが、新しくなっている。お水も入れ替えられている。
のろのろと体を起こして、お水をなめた。冷たい。
この調子なら、ごはんも食べられるかと思って少しかじったけれど、ダメだった。
口に中に広がるおにくの味がキモチワルイ。思わず吐き出して、もう一度ねころがる。
夢のなかは、とてもしあわせな世界だった気がする。
僕はまた夢を見る。

しんちゃんと最後に話したのは、いつだっただろう。



14 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:46:14.94 ID:60VRmiQN0
僕はしんちゃんを追いかけている。
しんちゃんはいつものあかいシャツときいろいズボン。小さな手は僕と同じくらい。

シロ、おて
シロ、おまわり
シロ、わたあめ

『ねえしんちゃん。僕はしんちゃんが大好きだよ。』
『オラも、シロのこと、だいすきだぞ。シロはオラの、しんゆうだぞ!』

わたあめでいっぱいのせかいはいつもふわふわでいつもあったかで
いつまでもおいかけっこができる

いつまでも



17 名前: ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:47:29.54 ID:60VRmiQN0
すいません。とりあえず第一話が此処までくらい。
名前欄に入れとくの忘れてた…お恥ずかしい。

20 名前:第二話(1/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:48:48.90 ID:60VRmiQN0
また朝がきた。
でも、その日はいつもと違っていて。しんちゃんのお母さんが、僕を車に乗せてくれた。
しんちゃんのお母さんの顔は、気のせいか苦しそうだった。

車はまっ白なお家の前で止まって、僕は抱きしめられたまま下ろされる。
そして一回り大きなふくろの中につめられた。まっくらだ。どうしようか。
昔なら、びっくりしてあばれてしまったかもしれない。でも今は、そんな力も出ない。
とりあえず丸くなると、体がゆらゆらとゆれた。
それがしばらく続き、次にゆれが収まって、足もとがひんやりとしてくる。



21 名前:第二話(2/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:49:20.46 ID:60VRmiQN0
いきなり辺りがまぶしくなった。
目をぱしぱしさせていると、変なツンとした匂いがする手につかまれ、持ち上げられる。
いっしゅんだけ体が宙に浮いて、すぐに冷たい台の上に下ろされた。
まっ白い服を着た人が、目の前に立っている。そばには、しんちゃんのお母さん。
二人が何かを話している。白い人が、僕の体をべたべた触る。
しんちゃんのお母さんが、泣いている。

22 名前:第二話(3/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:49:54.03 ID:60VRmiQN0
どうして泣いているのか解らないけれど、なぐさめなくちゃ。
でも、体が動かない。またあの眠気がおそってくる。起きていなきゃいけないのに。
なんとか目を開けようとしたけれど、ひどく疲れていて。
閉じていく瞳を冷たい台に向ければ、そこに映るのはうすよごれた毛のかたまり。

なんて、みすぼらしくなってしまったんだろう。



24 名前:第二話(4/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:50:16.79 ID:60VRmiQN0
ああそうか、僕がこんなになってしまったからなんだ。だからなんだ。
だからしんちゃんは、僕に見向きもしないんだ。
おいしそうじゃないから。
あまそうじゃないから。

僕はもう、わたあめにはなれない。



26 名前:第二話(5/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:50:52.84 ID:60VRmiQN0
わたあめ。
ふわふわであまあまの、くものかたまり。

いちど地面に落ちたおかしは、もう食べられないから。
どんなにぽんぽんはたいても、やっぱりおいしそうには見えないよね。

だけど、君はいちど拾っててくれた。
だれかが落として、もういらないって言ったわたあめを。
だから、もういいんだ。



28 名前:第二話(6/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:51:12.89 ID:60VRmiQN0
何かにびっくりして、僕はまた戻ってきた。
見なれた僕のお家。いつもの匂い。少しはだざむい、ゆうやけ空。
口の中がしょっぱい。

「なんで!!!!!!」

いきなり、辺りに大声が響いた。びりびりとふるえてしまうような、いっぱいの声。
重たい体をひきずって、回り込んで窓からお家の中をのぞきこむ。
しんちゃんのお父さんとお母さん、ひまわりちゃん。
そして、僕の大好きなしんちゃんも。
みんなみんな、泣いていた。



32 名前:第三話(1/4) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:54:02.21 ID:60VRmiQN0
「母ちゃんの行った病院は、ヤブだったに決まってる!! オラが、他の病院に連れてくぞ!!!」
しんちゃんが、ナミダをぼろぼろこぼしながら、怒っている。
ひまわりちゃんも、うつむいたまま顔を上げようとしない。
「しんのすけ、落ち着け。仕方ないんだ。」
しんちゃんのお父さんが、ビールの入ったコップをにぎりしめたまま呟いている。
「仕方ないって、父ちゃんは…ホントにそれでいいの!!!???」
「良いわけないだろ!!!!!」
しんちゃん以上のその大きな声に、だれもなにも言わなくなった。
その静かな中に、しんちゃんのお父さんの低い声が、ゆっくりひびく。



33 名前:第三話(1/4) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:54:26.96 ID:60VRmiQN0
「しんのすけ、良く聞け。いいか、生き物は何時かは死ぬんだ。
 それは、俺たちも同じだ。……もちろん、ひまやお前の母さんもそうだ。
 それが今。その時が、いま、来ただけなんだよ。解ってたことだろう?」
しんちゃんは、なにも言わない。しんちゃんのお母さんも、続ける。
「あのね、ママが最初ペットを飼うのに反対したのはね、そう言う意味もあるの。
 しんちゃんに辛い思いをさせたくなかったから…ううん。
 私自身が、そんな辛いお別れをしたくなかったから。だから、反対してたの。
 でも、もうこうなっちゃった以上、仕方ないでしょう?
 せめて、最期を看取ってあげることが、私たちに出来る一番良い事じゃないの?」
「最期って!!!」
しんちゃんが泣いている。ぼろぼろ泣いている。手をぎゅっとにぎりしめて。
僕よりもずっと大きくなってしまった手を、ぎゅっとかたく。



34 名前:第三話(3/4) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:55:04.41 ID:60VRmiQN0
僕の体のことは、たぶんだれよりも僕自身が一番知っていて。
でも、いいと思っていた。
このままでもいいって。
だって夢の中はあんなにもあったかくてあまくって。

だからずっとあそこにいても、かまわないと思ってたんだ。
それじゃだめなの?



36 名前:第三話(4/4) ◆TmK8dn3Gxg [2間違えた… sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:56:13.74 ID:60VRmiQN0
しんちゃんがこっちを見た。
しばらく目をきょろきょろさせたあと、僕を見付けて、顔をくしゃくしゃにさせる。
「シロ。」
名前を呼ばれた。本当に、ひさしぶりに。

わん。

なんとか声が出た。本当に小さくて、ガラスごしじゃあ聞こえないかと思ったけれど。
でも、たしかにしんちゃんには届いた。
しんちゃんが近付いてくる。窓を開けて、僕に手をのばして。
「大丈夫、オラが、何とかしてやるぞ。」

やっと抱きしめてくれたしんちゃんの胸は、いっぱいどくどく言っていて、
夢の中の何十倍も、とってもあったかかった。
ねえ、よごれたわたあめでも。



39 名前:第四話(1/6) ◆TmK8dn3Gxg [どこまでいけるかな… sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:58:12.06 ID:60VRmiQN0
僕は夢を見る。
何度目になるかはわからない夢。でも、それは今までとはちがう夢。



41 名前:第四話(1/6) ◆TmK8dn3Gxg [どこまでいけるかな… sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:58:27.31 ID:60VRmiQN0
僕は段ボール箱に入っていて、そのはじをしんちゃんがヒモで三輪車に結びつけている。
三輪車がいきおいよく走る。
箱ががたがたゆれて、ちょっときもちが悪い。
ふいに、その箱から引っぱり出され、僕は自転車のかごに乗せられた。
小さな自転車。運転しているのはしんちゃん。せなかにはまっ黒なランドセル。
シロに一番に見せてやるぞって、嬉しそうにしょって見せてくれたランドセル。
まだまだ運転は下手だったけど、とってもあたたかかった、春。



42 名前:第四話(3/6) ◆TmK8dn3Gxg [又間違えた… sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:59:03.35 ID:60VRmiQN0
自転車のかごが一回り大きくなる。
くるりとまわると、しんちゃんが今度は、まっ白なシャツを着ていた。
自転車も、新しくなっている。もうよたよたしていない。スピードも、速い。
そういえば、よくお母さんに怒られたとき、
ナイショだぞって僕を、こっそりフトンの中に入れてくれたよね。
もちろん次の日には、お母さんに怒られるんだけど、それでもやめなかった。
二人だけのヒミツがあった、きらきらしてまぶしい、夏。



43 名前:第四話(4/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 01:59:41.64 ID:60VRmiQN0
ぼんやりしていたら、ひょいっとかごから下ろされた。
代わりに自転車を押しているしんちゃんのとなりに並んで歩く。
しんちゃんはずいぶん背が伸びて、お父さんと変わらないくらいになった。
お母さんといっしょに使っている自転車が、ぎしぎしと音を立てる。
でも、どんなに大きくなっても、きれいな女の人に目がいくのは変わらない。
こまったくせだなあと思いながらも、どこか安心してる僕がいる。
いつまでも変わらないでいて欲しかった、少しだけ乾いた風が吹く、秋。



44 名前:第四話(5/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:00:07.68 ID:60VRmiQN0
寒い冬。
あんまり話してくれなくなった。
おさんぽも、少なくなって。こっちを見てくれることも少なくなった。
見えるのは横顔だけ。
楽しそうな、悲しそうな。ぼんやりした、困った。怒っているような、悩んでいるような。

そんな、横顔だけ。

寒い冬。小屋の中で、ひとりで丸くなっていた、冬。



45 名前:第四話(6/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:00:29.17 ID:60VRmiQN0
寒かった冬。でも、冬は春への始まり。あたたかな春への始まり。
僕は丸まって、わたあめのようになって、あったかいうでの中で。
春の始まりをまっている。

たとえそれがほんのいっしゅんのものでも。



48 名前:第五話(1/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:02:11.66 ID:60VRmiQN0
かしゃん、という、なにかがたおれる音がして、僕は目を開けた。
電灯がぽつりぽつりとついた、暗い道の真ん中で、見なれた自転車が横になっている。
のろのろと首を上げると、しんちゃんの前髪が顔に当たった。
道のはじっこのカベに、もたれかかるようにしてしゃがみ込むしんちゃん。
その体はひっきりなしにふるえていて、とても寒そうだった。
僕を抱きしめたまま、動こうとしないしんちゃん。
しんちゃんに抱きしめられたまま、動くことができない僕。

ああだれか僕の代わりに、しんちゃんを抱きしめてあげて。



49 名前:第五話(2/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:02:35.86 ID:60VRmiQN0
「ごめんな、ごめんなシロ。オラ、何にも出来なかった。」
ぽつりぽつりと、しんちゃんが話しかけてくれる。
「いっぱい病院回ったんだ、でも、どこも空いて無くて。
 空いてるトコもあったんだけど、大抵シロを一目見ただけで…何も。
 あいつらきっとお馬鹿なんだぞ。お馬鹿だから、何にも出来ないんだ。」
しんちゃん、泣いてるの? ねえ、泣かないで。
「でも、ホントにお馬鹿なのは……オラだ。」
しんちゃんなかないで。
「オラっ……シロがこんなになってるの、気付かなくて…!!
 ずっと、一緒にいたのに…親友だって……思ってたのに、なのに!!!」
なかないで、もういいから。
「シロっ…………。」



50 名前:第五話(3/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:03:01.37 ID:60VRmiQN0
しんちゃんが泣いている。僕はなにもできない。
せめて元気なところを見せようと思って、僕はしんちゃんのほっぺたをなめた。
しんちゃんのほっぺたは、少しだけ早い春の味。



51 名前:第五話(4/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:03:28.44 ID:60VRmiQN0
僕がメスだったら、しんちゃんのために子供を作っただろう。
僕が居なくなっても、寂しくないように。
僕がわたあめだったら、しんちゃんのためにせいいっぱい甘くなっただろう。
僕が食べられても、甘さが少しでも長く口にのこるように。
僕が人間の手を持っていたら、しんちゃんを抱きしめただろう。
僕がしんちゃんにもらった、温もりを返すために。
僕が人間の言葉をしゃべれたら。

きっと、いっぱいいっぱいのありがとうとだいすきを、君に。



52 名前:第五話(5/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:03:57.22 ID:60VRmiQN0
ひっきりなしにこぼれるナミダをなめながら、僕はあることに気が付いた。
僕はここを、今しんちゃんがすわりこんでいるここを、知っている。
ここは、僕と君が初めて会ったところ。
僕と君との、始まりの場所。



54 名前:第五話(6/6) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:04:19.48 ID:60VRmiQN0
僕は待っていた。
あきらめながらも、いつか。
いつか、おっこちたわたあめでも。
おいしいそうだって言ってくれる人が。
ひろいあげて、ぱんぱんってして。
まだ食べられるぞって、言ってくれる人が、来てくれるって。



59 名前:最終話(1/3) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:05:47.18 ID:60VRmiQN0
「シロ。」
名前をよばれて、僕は顔を上げる。しんちゃんが、笑っていた。
まだまだナミダでいっぱいの顔で、それでも笑っていた。
「シロ、くすぐったいぞ。
 そんなにオラの涙ばっか舐めてたら、しょっぱい綿飴になるぞ。
 しょっぱいシロなんて、美味しそうじゃないから。
 だからシロ、オラ、待ってるから。
 今度はオラが待ってるから。」

しんちゃん。

「だから、もう一度、美味しそうな綿飴になって。
 そんでもって、戻ってくるんだぞ。」

だいすき。



61 名前:最終話(2/3) ◆TmK8dn3Gxg [sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:06:26.84 ID:60VRmiQN0
ぼくはしんちゃんに抱きしめられながら、さいごの夢を見る。
もういちど、わたあめになる夢を。
もういちど、おさとうになって、とかされて。
くるくるまわって、あまい、あまいわたあめになる。

目ざめたときに、だれよりも、
君がおいしそうだって言ってくれるわたあめになるために。

ふわふわのわたあめ。さくらいろの、あったかなわたあめ。
君が大好きだっていうキモチをこめた、君だけのわたあめ。



62 名前:最終話(3/3) ◆TmK8dn3Gxg [ありがとうございました sage] 投稿日:2006/04/07(金) 02:06:58.49 ID:60VRmiQN0
僕はシロ、しんちゃんのしんゆう。十三年前に拾われた、一匹の犬。
まっ白な僕は、ふわふわのわたあめみたいだと言われて。
おいしそうだから、抱きしめられた。

僕はシロ、しんちゃんのしんゆう。
今度はさくらいろの、ふわふわのわたあめになって。
君に、会いに行くよ。





















コアラの握力って1トンなんだって!

それはどうでもいいよねorz

泣けてきませんか?

俺はコレを見て、涙がでました

続きが読めませんでした。・゚・(ノД`)・゚・。



とりあえず、これで落ち着いて
PR
29 . June
動画の件

眠い目を擦りながらやった

正直、面倒だった

名言は適当に選んでいた

今は反省している、だが後悔はしてない

最初の方がちょっとズレてるのも許せなかった

最終確認を怠った自分が情けない

6月29日



今後も、よく分からない動画が流れる事間違いなし

覚悟しなさい、皆さん

⊂二二二二二二二二二二二二( ^ω^)二二二二二二二二二二二二二⊃

あの掲示板のまとめサイトでこんなものを拾いました




あるネタとあるネタを足して2で割った作品なのですが・・・

両方のネタを知ってる俺にとって、この画像は苦痛でした

(にやけるというか、笑う口の筋肉が痛い)



ここでクイズ

何のネタを阿部さんと水銀燈様に足して2で割ったでしょうか

シンキングターイム



       う
        ほ
         っ
 
   い
     い
       が
        ぞ
  う
   た
    ち



            ち
          ゃ
      ん
  と
     考
      え
        て
     る
           ?


               も
              し
     か
        し
   て
           も
   う
         分 
     か
             っ
               た
                ?



        す
  ご
  い
     な


                 そ
         ん
    な
     事
        よ
  り
              さ
 
      乳
      酸
      菌
      摂
      ろ
      う
         よ
 
       俺
      は
     ヨ
      l
       グ
        ル
         ト
          で
                摂
               っ
              て
             る




         も
                  う
       そ
   ろ
           そ
           ろ
               い
       い
                    か
     な
 
        い
      い
         よ
              ね
                  ?
 





長い事不思議文ですいません

答えは

ネコメリンク(風のタクト)です

(´・ω・`) シ―――――――ン

ここでクイズする意味も無いだろうけど、やってしまったのは仕方ない

クイズ間違えたやつ、風呂で好きな2Dキャラの名前叫んで来い(*´ー`)


これでも自主規制かけたつもり
29 . June
名言集

「むしゃくしゃしてやった、感情的に」

見る際は覚悟

最初の方は飛ばし推奨
27 . June
名台詞(ニコニコ)

起こっちゃダメよ

血圧上がっちゃうから

乳酸菌摂ってるぅ~?



危ない方向に確実に歩んでいるラギガレスです

でも、いいんです

まだ健全なので!


テスト中だと言うのに、見たんです

ローゼンメイデン

マイブーム

今日、朝学校に行く途中

一組の中毒気配の女性が二方

追い抜く途中・・・

A「(ノートを見て)あ~可愛い~!翠星石と蒼星石~!」

B「最初は翠星石だけだったんだけど、翠星石描いたら蒼星石も描かないといけないかなーって(笑)」

AB「あははははははは」


話の内容を94%理解できた自分が悲しい

それ以上に、つい最近ローゼンを見たばっかだったので笑いが・・・

(´・ω・`)

それで帰宅後、少々の勉強後

一本1時間のDVDを三本観賞

最後が泣けた。・゚・(ノД`)・゚・。

語って欲しいなら、一時間ニ時間と語ってあ・げ・る



テスト、どうするかなぁ
24 . June
ブログの名前が変わっているのは、紛れも無い真実

相互リンク先には知らせない

それがワタシのクオリティなのだから


昨日夜更かしをしすぎて、朝11時過ぎに起床

それからしばらく(*´Д`)ハァハァ

その後、お出かけしました

4時ごろ帰還

今まで、のんびりしていました

ええ、特に何もありませんでした


ちょいとPCのフォトフォルダを弄っていたら

見に覚えの無い画像が・・・

e5u8

(゚ Д゚ )

ハレ晴れムスカ・・・

きっと、いつの間にか保存してたのでしょう

無意識って怖いです

昨日も、1階で勉強していていつの間にか寝ていました

さらに、いつの間にか2階の寝室に居たのです

何時、上に上がっていったのか分かりません

無意識恐ろしい(´・ω・`)

うぎゃあああああああああああ!!

・・・・


先生、ローゼンの小説が欲しいんです

先生!俺のために買ってきてください!
不定期に一言
すももも、ももも、桃ノ内弁当

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男性
誕生日:
2006/03/11
職業:
自宅警備員(就職はまだ出来ない歳なのです)
趣味:
音楽鑑賞 ギター
自己紹介:
将来はいい嫁さん貰って、その隣でずっと運指の練習してたい。
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